2017/12/20開催 平成29年度第5回教養教育センター講座「粘菌アメーバに学ぶモノを使ったコンピューターの可能性」

平成29年度第5回教養教育センター講座
「粘菌アメーバに学ぶモノを使ったコンピューターの可能性」を開催

 2017年12月20日(水)甲府東キャンパスT1-11教室にて、慶應義塾大学環境情報学部 准教授 青野 真士 氏をお迎えし、「粘菌アメーバに学ぶモノを使ったコンピューターの可能性」についてご講演をいただきました。

 講師の青野先生は、まず、現在のコンピューターの発展の歴史を踏まえつつ、その原理であるチューリングマシンの仕組みやノイマン型計算機の構成について、初心者向けの分かり易い解説をされ、その計算能力を超えた問題が存在することを示されました。そして、これらの課題を解決する革新的なコンピューターを生み出すために、自然界で環境に適応的な行動を効率よく選択できる単細胞アメーバ生物・粘菌の振る舞いに着想を得て、いかにして複雑な問題の答えを膨大な数の候補の中から高速に探索するアルゴリズム(ソフトウェア)の定式化につなげたかを丁寧に説明されました。

 さらに粘菌アメーバに類似した振る舞いをする人工ハードウェアを用いて、小型・低消費エネルギーで効率的な探索を行う非ノイマン型コンピューターを構築するという、最先端研究について解説され、アメーバの複数の末端部分が時間的・空間的な関係を保ちながら確率的に間違いを起こすという特徴が大きなヒントであることを説明されました。こうした特徴をもつ「モノ」を使った全く新しいコンピューターがもつ可能性を展望するとともに、生命にも関係する化学反応過程の解明などへの挑戦的研究についても簡単に紹介してくださいました。

 本講座には学部学生のみならず、教員や大学院生が多数聴講し、講演終了後も青野先生との熱い議論が展開されました。