初年次教育

初年次教育は、新入生の皆さんが大学で最初に受ける科目を総称するものです。大学での学びは、高校までの勉強と異なり、学びの主体性という観点からみて、質的な転換が求められます。ゼミや研究会での発表、レポートや論文作成など、自ら課題を発見し、その解決へ向けて能動的に学習を進めていく姿勢が必要となります。また、将来の職業選択のためのキャリア形成、健康な生活を維持するためのからだづくりも大切です。

山梨大学では、こうした初年次教育の目標と理念を背景に、新入生の皆さんが大学での学びを実りあるものにし、将来の職業へとつなげていくことができるよう、多彩な科目を用意しています。具体的には、全学共通教育科目「人間形成科目」のなかに、「大学基礎・キャリア形成科目」、「生活と健康」という二つの領域を設けています。以下、それぞれの科目について概要を紹介しましょう。

大学基礎・キャリア形成科目

大学に入学したばかりの新入生は、高校までの勉強と大学での学びのギャップにとまどうことも多いのではないでしょうか。大学基礎系の科目では、「大学で学ぶ」とはどういうことかを考え、学ぶための基本的な知識と技能を身につけていきます。

本学では、「大学生のための言語表現」「大学生のための情報表現論」「eラーニングを用いた自主学習」といった科目が開講されており、レポートや論文を書くための日本語リテラシー、パソコンやe-ラーニングを活用する情報リテラシーについて学んでいきます。

 ⇒日本語リテラシーって何?

また、大学生は卒業後、社会人としてこの社会の一翼を担っていきます。キャリア形成系の科目では、将来自分がどのような職業を選択し、そこでどのような実績を積み、何を目標にして生きていくのかといった課題を考えていきます。

本学では、「人間形成論」「大学生のためのエンプロイアビリティ論」「キャリア形成のための作文演習」「消費生活論」といった科目が開講されています。キャリア形成系の科目の多くは、本学キャリアセンターの教員が担当しています。

山梨大学キャリアセンター センター紹介
http://www.career.yamanashi.ac.jp/modules/introduction/index.php?content_id=12

生活と健康I・生活と健康II

「健全なる精神は健全なる身体に宿る」という格言にもあるとおり、大学での学びもやはり私たちの健康なからだに支えられています。生活と健康ⅠⅡは、そうした自立した健康的な生活の実現を目的とした科目として設けられています。

具体的には、体育・保健衛生、食事・運動・睡眠と心身について学び、さらに生活者としての基礎的な知識やモラルを身につけていきます。また課題学習、グループ学習、身体活動プログラムを通して、良好な人間関係の構築を目指します。
 

日本語リテラシー

日本語リテラシーとは、大学生の皆さんが大学というアカデミックな世界で生きていくために身につけておくべき日本語のコミュニケーション能力です。大学ではゼミや研究会の発表、レポートや論文作成といった、高校までとは異なる主体的な学びが求められます。日本語リテラシーは、そういった大学での学びを支える基礎となるコミュニケーション能力です。

山梨大学の学生の皆さんには、大学生活を有意義に過ごすためにも、また卒業して社会で活躍するためにも、自身の日本語に関心を向けてほしいと願っています。

日本語リテラシーを向上させるために

日本語e-ラーニング教材 日本語リテラシー学習支援 論文を書く人、発表をする人のために

日本語e-ラーニング教材

新入生の皆さんは、英語、数学、日本語のプレイスメントテストを受けることになっています。これらはそれぞれの分野のリテラシーを測定するために開発された診断テストです。じぶんはどの点が優れていて、どの点が劣っているかを自覚し、卒業するまでに十分なリテラシーを身につけてほしいと思います。そのための支援システムとして、山梨大学ではe-ラーニング教材を導入しています。日本語リテラシーの向上のためにも、また自己診断のためにも、ぜひ積極的に活用してください。

e-ラーニング教材

日本語リテラシー 学習支援

日本語リテラシーは、日常的な実践に支えられて成長します。授業に参加する、図書館を利用する、先輩や先生方と討論するといった活動のなかでこそ、日本語のコミュニケーション能力は高められていきます。
山梨大学では、そのために多方面の支援をしていきます。

附属図書館 ライティングサポートエリア

山梨大学甲府キャンパス附属図書館写真

山梨大学甲府キャンパス附属図書館には、学生や教職員が自由に考え利用できる設備、ラーニングコモンズがあります。多目的エリア、プレゼンエリア、グループミーティングエリアなどさまざまな設備が整っています。

ここで紹介したいのは、ライティングサポートエリアです。ここには大学生活を支援するため、学生相談員が常駐しています。優秀な先輩方が皆さんのレポート作成や論文作成をサポートしてくれます。

次のようなことで困っている人は、気軽に図書館に立ち寄ってください。

  • そもそもレポートをどう書けばいいのかわからない
  • 自由課題が出たが、テーマが決められない
  • 書いては見たがこれでいいのかどうかわからない
  • 卒業論文をどう構成すればいいのかわからない
  • プレゼンテーション資料について講評してほしい
など
相談できる時間
授業期間中の平日10:40~12:10、14:50~16:20、18:10~19:40
(都合により不在のこともあります。詳しくは図書館職員にお尋ねください。)
附属図書館ラーニングコモンズ
http://lib.yamanashi.ac.jp/learning-commons

なお留学生の皆さんには、G-フィロス(グローバル共創学習室)があります。日本語のサポートが得られます。留学生の皆さんは積極的に活用して下さい。

大学生協「読書マラソン」

読書は人を育て、人を作ります。
本を読むと、世界が広がります。
本との出会いで人生が変わることもあります。

全国の大学生協では、「読書マラソン」という企画で、大学生の皆さんの読書生活を応援しています。ぜひ皆さんもこの機会に「読書マラソン」にエントリーし、自らの教養を広げていってください。

全国大学生活協同組合連合会「読書マラソン」
http://www.univcoop.or.jp/fresh/book/marathon.html
山梨大学生協書籍部&読書マラソン
http://yamanashi-dokumara.at.webry.info

論文を書く人・発表をする人のために

論文を書く人のために

新入生の皆さんは、「レポートって何?」「どんなことを書けばいいの?」と戸惑うことも多いでしょう。以前はそれらは見よう見まねで身につけるものとされていましたが、最近はレポートの書き方という種類の本も数多く出版されています。

『レポート・論文作成法』井下千以子(著)、慶応義塾大学出版会
論文を書くときに困るのは、どのように章立てをすればよいのかわからないということです。この本では、論文の構成のしかたが具体的なフォーマットとともに提示されています。卒業論文を書く前にぜひ手にとってほしいと思います。
『大学生のためのリサーチリテラシー入門』山本剛史・林創(著)、ミネルヴァ書房
レポートや論文を書くときには、読む力や書く力以外にも、課題発見、情報収集、情報整理、データ分析などの能力が必要とされます。この本では、これらの活動においてどういった点に注意すべきかが丁寧に解説してあります。
『論理的に書くためのルールブック』ウェストン、PHP研究所
意見を主張するだけでは論文にはなりません。論文には、かならず主張を支える根拠が示されます。この本では根拠をどのように提示すべきか、つまりいかに「論証」すべきかがルール集として明快に述べてあります。

他にも日本を代表する経済学者によって書かれた『「超」文章法』(野口悠紀雄、中公新書)や理科系ではすでに古典ともなった『レポートの組み立て方』(木下是雄、ちくま学芸文庫)などもオススメです。

発表をする人のために

わかりやすいプレゼンテーションを聞くと頭の中がスッキリして、いい気分になりますよね。ここではそんな明快な発表をするための心構えや、具体的な発表技術について解説した本を紹介します。

『自己表現力の教室』情報センター出版局、荒木晶子(他著)
そもそも話すときにはどんなことに気をつければよいのかが、具体例とともにアドバイスしてあります。また同内容をさらにわかりやすくバージョンアップしたものとして『自分を活かすコミュニケーション力』(実教出版)もあります。
『「伝わる!」説明術』梅津信幸、ちくま新書
伝えるとは相手の頭の中にわかった!という状態を作り出すこと、そのためにはどんな手段があるのかが多彩な方法とともに提示されています。じぶんは説明が苦手だと思っている人、座右の書となるかもしれません。
『議論のレッスン』福澤一吉、NHK生活人新書
日本人は議論下手だと言われますが、かみあった議論とはどうすればできるのかが丁寧に説明されています。これを読めば日本の国会討論のどこがヘンなのかがわかります。姉妹編として『論理表現のレッスン』もあります。

まずはこれらの本を参考にして、大学の授業や自主的な活動において日本語リテラシーをのばしていってほしいと思います。大学生活で培った教養は、社会に出てからも大きな自信につながっていきますから。