学術科目群
学術科目群は、文理を横断する4つのテーマからなっており、特定のテーマについて深く学ぶとともに、教養となる知識の幅を広げていくことを目的とします。また、学術科目群では、創発PBL科目と連携させることで、現代の複雑な問題を解決するための実践力を養うことを目指します。学生の皆さんは、各分野から少なくとも1つの科目を履修し、教養を広げるとともに、その分野に特有のものの見方、考え方を習得し、自ら課題を設定し、問題解決へと至る基礎力を身につけてほしいと願っています。
この分野では、人間相互の理解と共感を深めるために必要な人文的教養を涵養するとともに、創造的思考を刺激するアートを実践的に学びます。現代の日本社会では、科学技術の発展ととともに、経済的繁栄と物資的な豊かさを享受できるようになりました。しかし一方で、科学主義に基づく教育の画一化により、現代人は自由な発想ができなくなっているという弊害も生まれてきます。「人間と文化」では、こうした現代人が抱える課題を克服し、異なる価値観を持つ他者への寛容性を育み、文化的に多様で豊かな社会を形成するために必要な知識の獲得を目指します。
この分野では、地球温暖化や気候変動といった環境問題、さらにそれらが私たちの生活と健康に及ぼす影響の理解に必要な知識を学びます。地球規模の環境保全に取り組みつつ、個人と社会の幸福を向上させるためには、国際協力、地域共同体の形成、革新的な技術開発といった多角的なアプローチが必要とされます。また、効率的な資源利用、廃棄物の管理にとどまらず、医療、看護、福祉を含むグローバルヘルスとウェルビーイングについての理解が求められます。「環境と人間」では、資源利用と環境保全のバランスに配慮した持続可能な社会の実現に必要な知識の獲得を目指します。
この分野では、現代の産業を成り立たせている科学技術とともに、その背景となる歴史的、社会的変化を理解するために必要な知識を学びます。現代人の生活は、産業革命以後の農業、工業の発展、さらに現代の情報通信における技術革新などを通して飛躍的に向上してきました。しかし一方で、資源開発と過度なエネルギー使用による環境破壊、グローバル化による経済格差、都市化が生み出す社会的孤立など、さまざまな課題が生じてきています。「産業と社会」では、急激な産業の発展と社会構造の変化がもたらす課題を解決するために必要な知識の獲得を目指します。
この分野では、価値観の違いによる社会の分断や対立を乗り越え、多様性を尊重し寛容で包摂的な社会を構築するための知識を学びます。公正な世界を実現するためには、国や地域による政策や行政の介入だけでは不十分であり、個人の行動変容や社会の変革を導く教育プログラム、影響力のあるメディアと文化の活用、さらに、行政機関だけでなく、企業、大学、NPOなどの産官学の連携が求められます。「平等と公正」では、現代社会にある不正や不平を解消し、「共に生きる」社会の実現に向けて他者と協力しながら行動していくために必要な知識の獲得を目指します。