令和5年度第4回教養教育講座
「『ミヌとりえ』上映会&トークショー」を開催
2023年11月30日（木）に、映画監督の全辰隆先生をお迎えし、第4回教養教育講座を開催しました。講座では、映画『ミヌとりえ』の上映と、全先生と大村先生（山梨県立大学国際政策学部准教授）のトークショーを行いました。
全先生からは、映画『ミヌとりえ』を制作した背景についてお話いただきました。ご自身が在日韓国人としてのバックグラウンドを持っていることから日韓関係について考える機会が多かったこと、コロナ禍をでは日韓の交流が激減してしまったことで、このままでは関係が悪化してしまうのではと考えたことから、映画の制作をはじめたとのことです。韓国と日本、両方の方に伝わるストーリーにするため、自らの経験やアイデンティティ、文化、言葉等をテーマとしたことを伺いました。
映画『ミヌとりえ』は、日本や韓国の映画祭で賞を受賞し、アメリカのサンディエゴ国際映画祭をはじめとする海外の映画祭でも公式選出されるなど、世界的に評価されている作品です。全先生は、国同士の文化、言葉に対する差別や偏見に対する問題は、日本と韓国だけではなく世界中で起こっていること、国や地域が変わっても起こりうる（起こっている）テーマだからこそ受け入れられたと考えているとのことでした。
昨今のロシア・ウクライナの問題、イスラエル・パレスチナの問題など、世界の分断に関するニュースがあふれる時代だからこそ、「興味関心」を持つこと、少しの興味でも（映画、本、エンタメからでも）個人レベルで興味関心を持ち共感する力をつけることが平和のためには重要となること、映画は共感のきっかけとなり心の経験値をあげるものであることなど、多くのご示唆をいただきました。