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2023/11/29開催
第3回教養教育講座「AI その原理と医学・医療における応用」

令和5年度第3回教養教育講座
「AI その原理と医学・医療における応用」を開催

 本年度の第3回教養教育講座は、第1回山梨大学先端医学融合セミナー及び山梨大学・山梨県立大学の合同特別講演会として、2023年11月29日(水)に開催されました。今回の講座では、株式会社スタージェンの代表取締役会長であり、医療人工知能研究所の所長も兼任されている鎌谷直之先生をお招きし、「AI その原理と医学・医療における応用」というテーマでお話いただきました。今回の講座は対面とオンラインのハイブリッド形式で実施され、本学と山梨県立大学の学生・教職員を合わせて64名の参加があり、盛況となりました。

 講演は、関節リウマチのビッグコホート研究、遺伝病の原因を明らかにした連鎖解析や医学研究におけるビッグデータ解析の話題からスタートし、これからの遺伝学やゲノム学分野では機械学習やAIが必須になり、さらには臨床現場にもビッグデータ、AIの波が押し寄せることが説明されました。

 そして、AIがどのような原理で作動しているかについて、世界に衝撃をもたらしたChatGPTを例に説明していただきました。その中で遺伝子、脳、AIの基本構造と原理は同じであり、基本構造は入力→情報処理→出力であること、基本原理は確率最大化であることをわかりやすく丁寧にお話しいただきました。また、ChatGPTなどの生成系AIの特徴はランダム性であり、このランダム性は遺伝子システムの特徴でもあり、これにより多様性と創造性が生み出されていること、AIは脳とは違い、遺伝子のようにコピーが可能であり、これにより永遠の寿命を持ちうるといった話題も取り上げられました。さらに、生成系AIの医療での活用例やメリット、デメリットについてもご紹介いただきました。

 講演の後半では、日本において、なぜAIやデジタルが弱いのかについて、その弱さを改善するために「ランダム」と「確率」の教育に力を入れる必要があるとの指摘がなされました。この概念を理解し、情報力を強化することが必要であり、その具体的な解決法についても教えていただきました。

 講演後には質疑応答の時間も設けていただき、多くの参加者から質問があり、AIやその医学・医療への応用に対しての関心の高さがうかがえました。講演では、AIの発展に伴いELSI(Ethical, Legal and Social Issues)が重要になることも強調され、今後ますます広がるAI、特に生成系AIについて考える大変貴重な機会となりました。

 

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